本日6/18、コミックス第2巻発売!『クロノ・モノクローム』の磯見仁月先生へインタビュー!

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当ブログではBL作品を中心にオススメの新刊・既刊をご紹介しておりますが、このほどご紹介する作品は少年サンデーコミックスの作品です。
小学館コミックの週刊少年サンデーにて、現在進行形で精力的に連載!磯見仁月先生の『クロノ・モノクローム』です!
しかも今回は磯見先生に誌上インタビューを敢行!!

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『クロノ・モノクローム(1)』 著者:磯見仁月 発行:小学館 定価:463円(税込)
あらすじ:少年棋士時空を超える!チェス×歴史ロマン
ある事件がきっかけで人と向かい合って座れなくなった、天才チェス少年・黒六。
ある日ネットチェス中に光に包まれ、辿り着いた先は18世紀ウィーンだった!
そこで出会ったのは、歴史に埋もれた機械チェス人形・“ターク”―――
壮大なスケールで贈る、チェス×歴史ロマン開幕!!




まずは、コミックス第1巻の発売から約1カ月、6/18には2巻の発売も大決定!今の率直なお気持ちをお聞かせください。
(注:インタビューは5月に行いました)

正直まだ実感があまりないんです。忙しくて考える余裕がないのかもしれないですね。ただ新人で、作品を知ってもらうこと自体が難しいので、少しでも面白い作品をお届けして、今後皆様の話題に上ることができればなと思います。

連載スタートやコミックス発売の折りに反響や反応はありましたか?ツイッターなどで読者の感想を目にしたり、ファンの声を耳にしたりする機会はありますか?

チェス漫画の少年誌連載は前例がなかったようなので、チェスをされている方から嬉しいという感想は頂きました。最近は歴史好きの方からも、神聖ローマ帝国を取り上げた作品は珍しいというので、感想いただいてます。ツイッターやブログ、ファンレターなどでこまめに応援して下さる方もいて、ありがたい限りです。

確かに「チェス漫画」自体、新鮮さがありますね。そもそも今作の着想はどんな所から得られたのでしょうか?

1巻のおまけでも触れましたが、もともと自分のノートにチェスのネタを書いてまして、ひょんなきっかけから思い出し、得意分野の歴史を織り交ぜてできないかと調べたところ、タークの歴史を見つけまして、ネームを切り出した感じです。ケンペレンとの出会ったときは、まさしく雷に打たれた感じでこれだ!!と思いました。


主人公の犬伏黒六(いぬぶせくろむ)君はどんな少年ですか?イメージやモデルになった人・事柄があれば教えてください。

元々殆ど漫画を読まずに育ったこともあって、黒六の外観は自分の周りの実際のある人から、内面は自分の経験や生い立ちから作っています。チェスを漫画に置き換えると自分と被るところが多いので。後はそれをベースに膨らまして、肉付けしている感じです。結局自分が知り得てないと、描きづらいことが多いので。なんというか黒六の好きなものの前だと周りが見えなくなったり、色々理屈をつけて遠回りしても、やりたいことから離れられない諦めの悪さは自分とよく似てると思います。

黒六以外の登場人物で、先生の好きなキャラクターやお勧めのキャラクターを強いて挙げるなら誰でしょう?またその理由は?

断然ケンペレンですね。この作品はケンペレンから作った部分も多いので、愛着も史実の生い立ちもひっくるめてとても大好きです。ドSキャラということで作りましたが、実はこれも周囲の人をモデルに作っています。厳しいですが、自分が一番かっこいいなと思っている方ですね。

前述でも「雷に打たれた感じ」とその出逢いを表現していただきましたが、主要人物・ヴォルフガング・フォン・ケンペレン男爵はやはり外せないのですね!【嘘みたいな史実に基づいたお話=クロノ・モノクローム】を象徴するキャラクターだと感じます。
実在するケンペレン様と『クロノ・モノクローム』のケンペレン様で最も異なる点、オリジナル設定の部分を教えてください。例えばS属性で拷問危惧収集が趣味(!)というのはオリジナルでしょうか?

実際のケンペレンは頭脳明晰・美男子・品行方正・実直と非の打ちどころのない人間です。でもそれだと落としどころがないので、実は猫を被っていて、裏では見下している感じなのかなと思い、今のドSキャラになりました。拷問云々はオリジナルですが、当時の科学者や発明家では、宮廷から委託を受ける方もいたので、あながち嘘でもないんです。まぁ…、ただ描きたかった自分の趣味の部分が大きいです。

実在する人物を描く上で大変な点や苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください。

その時実際は何をしていたのかを調べた上で、史実のターニングを計算しながらオリジナル部分を織り交ぜなければいけないところですね。週刊だと時間がないですし、史実に縛られて自由に描けない時も出てくるので。後、年齢ですね。有名人となると高齢になりがちなので、少年誌向けに若く見せる工夫をしています。ただそれもひっくるめて、時代考証は趣味なので、楽しくやっています。

なるほど!時代考証は趣味とは心強いお言葉です!
そのように綿密な時代考証に裏打ちされたストーリーには引きこまれます。一方で、見た目には18世紀ウィーンの町並みや服装がとっても魅力的です。
貴族たちのドレスはもちろん、ケンペレン様のナイトウェアに黒六の白靴下姿まで!!使用人(ディーナー)の格好はほんとうに可愛いです!!
これからどんな服を着せたい、どんな景色を描きたい、などの具体的な構想はありますか?

せっかくウィーンに取材にいったのに、黒六のウィーン観光が描けてないのが心残りで仕方ありません。いつか絶対にやりたいですね。服装は念願のオーストリア軍服を、センターカラーで描けたので、いずれ話が進めば色んなキャラに当時の軍服着せたいです。あと、当時の流行ならではの、奇天烈なファッションやドレスも書いてみたいですね。個人的にはいつかケンペレンがハンガリー衣装で馬を駆るシーンを描きたいです。

おぉおおお!!!!ぜひお願いします!数々のシーンの登場をお待ちします。
本編以外では、コミックス内やカバー下にある「仁月の甲羅書き雑学」ページの充実っぷりには驚くと共にファンとしては嬉しいおまけコーナーになっていてとても楽しく拝読しました。
サンデー漫画家BACKSTAGEにも裏話や雑学がたくさんありますが、まだ披露していない制作秘話をここでひとつお願いします!

そうですね…。では2巻に収録しそこねた細かい設定を一つ。デビュー戦でアイスラーと話している黒眼の婦人ですが、実はコベンツル伯爵の回想で、子供ケンペレンとダンスを踊ってた女の子なんです。髪型変わってるから分かり難いですけど。ツンフトの弟子たちのやりとりもそうですが、応援席の脇役にも割と細かい動きを入れて遊んでいるので、その辺も想像して楽しんでいただけたら嬉しいです。

貴重なエピソードをお教えいただきありがとうございます!
なお、作品のエピソード以外で、先生の最近のトピックはありますか?何かハマっていることや印象的な日常エピソードがあれば教えて下さい。

うーん…、本当漫画描くことと歴史以外、趣味がないので…。読書はしますが、それも半分仕事になりつつありますからね。ただ連載を初めて、しょっちゅう友人が手伝ってくれたり、お菓子を届けてくれたり、予想以上に助けられることが多いです。印象的というか、そういう些細なことに心を動かされる機会が増えたように思います。感謝ですね。

漫画家を目指したキッカケについて先生ご自身がブログにて、お父様のカバンから高橋留美子先生の『らんま2/1(17)』を見つけて…というエピソードを書かれていたり。コミックス発売にあたって、お母様が地元の書店に直接営業活動をされた…というエピソードがあったり。とてもほほえましいのですが、ご家族の最新エピソードがあれば教えていただけますか?


単行本1巻と表紙・巻頭カラーになったサンデー本誌、それから読売新聞に作品のことが掲載されましたので、父がそれを持って祖母に会いに行ってくれました。とても喜んでくれたらしく、少しはおばあちゃん孝行できたかなと思います。

わ~とても素敵ですね!
先生がお好きな作品や作家さまなどを教えていただけますでしょうか。理由や思い入れなどもお願いします。漫画以外で、小説や映画などでも結構です。

漫画は殆ど読んでこなかったので、高橋留美子先生のらんま2/1がまず一番ですね。なんといっても漫画家を目指したきっかけですし。小説は割と読むので、色々ありますが、作家だと宮部みゆき、新井素子でしょうか。お話を作るにあたって投稿時代、かなり参考に読み潰した記憶があります。

作品の軸となっているチェスや世界史という事柄は、一見すると馴染みが無いと感じる人もいるかもしれません。
先生は実際にチェスを嗜まれるのですか?

一応やりますがものすごく弱いんです。どうも色々調べると、文系にはあまり向いてないみたいですね。取らせて取るという攻撃的なことができず、後手に回りがちなんで、家族にも負けてばかりでした。でも面白いから不思議ですよね。

そうですね、勝っても負けても感じる面白味があるのでしょうね。奥深い魅力が伝わってきました。
では、チェスや世界史の魅力をここで存分に語って下さい!!

存分…といわれると多分終われないので少しだけ。両方とも先人が遺したすばらしいお宝だと思います。時代がたてばたつほど研ぎ澄まされていく部分は共通しているかもしれません。ひとつ絞るとすれば、チェスも世界史も、世界中で語り合える方がいるということです。なんというか夢がありますよね。

夢、ロマンですね・・!時代や言葉が違っても、チェスでコミュニケイトできることは、コミックス第1巻の黒六も証明していると思いました。
チェスや世界史以外で好きなもの、気になるものはありますか?先生の作品(漫画)に影響を及ぼしていると考えられる事柄について、今思いつくものがあれば教えて下さい。

なんでしょう…、歴史と被るかもしれませんが、古いものは割となんでも好きですね。育った母の実家に古いものが一杯で、曾祖母に面倒を見てもらったことが多く、考え方や知識の根底になっている気がします。古美術も好きですし、昔は考古学に憧れた時期もありました。あとは大学で学んだ心理学でしょうか。割と漫画に入ってくる気がします。

執筆中のこだわりや執筆作業において欠かせないものはありますか?

執筆中というか職場のこだわりとしては、整理整頓・掃除です。きちんと片付いてないと気持ちも締まらないので、スタッフにも心がけて頂いてます。欠かせないものはコーヒー。もうこれがないと何にも出来ないんです。本気で。

2014年5月現在も連載中ですが、ずばり!結末は決まっている?決まっていない?

決まってるような、いないような。でも週刊連載だと、ほぼ決まってないようなものではないでしょうか。自分の予測では嵌らないことも非常に多い現場ですので。

それでは2巻発売へ向けての意気込みや、現時点で教えられる2巻のオススメポイント、見どころをお聞かせください。

2巻では新キャラを始め、重要な設定も明らかになりますので、とにかく未見の方は1巻ともに購入していただいて、読んでくださいの一言につきますね。後、スタッフが作画に少し慣れてきたとこなので、背景の時代感も楽しんでいただけたらと。実際の人物・建物盛りだくさんなんで、サンデーバックステージも含め、18世紀を味わってください。

最後に、これから『クロノ・モノクローム』の世界へ入り込む読者、すでに『クロノ・モノクローム』の世界にどっぷり嵌り込んでいるファンに向けて、あつ~いメッセージをお願いします!

いつも応援ありがとうございます。初連載ということで至らない部分も多いですが、本当に皆様に支えられて連載しているんだなと。日々実感しています。未見の方も是非お手に取ってくださいませ。日本では馴染のないものが多いですが、その分刺激も受けられると思いますので。少しでもチェス・世界史、そして黒六とその周りをとりまく世界を愛していただけるよう、精進したいと思います。クロノ・モノクローム第2巻、どうぞよろしくお願いします!!!

磯見先生ありがとうございました!



 なお、芳林堂書店で『クロノ・モノクローム』をご購入いただくと、1巻と2巻それぞれに芳林堂書店限定のイラストブロマイド芳林堂書店限定の描き下ろしペーパーが付きます!
 また、2巻には、SSS(サンデーサポーターショップ)の各書店で配布される描き下ろしペーパー特典もあります。

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こちらが1巻の特典ブロマイドとペーパーの実物です。

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こちらが2巻の特典ブロマイドとペーパーの実物です。

ブロマイドの絵柄は、コミックスの表紙イラストなのですが。そうなんです!素敵なデザインが施されることによって一部カットされていた表紙絵の全景が!しかもカラーで拝めるという!これは本当に貴重な特典になっていますよ~!

なお、上記の特典は、芳林堂書店グループ全店で配布しておりますが、配布期間は各店舗により異なります。その点はご了承いただき、ご注意の上ご購入をお願いいたします。
(注:予告なく配布終了する場合がありますので配布状況につきましては各店舗へお問い合わせください)

また、芳林堂書店所沢駅ビル店では、コミックス第1巻の発売を記念して、磯見先生の直筆サイン色紙を展示しておりました!!この機会にご紹介いたします。

黒六が~~リボンが~~~黒六が~~~~!!!(>_<)!!!

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うっうつくしすぎる~~~~~♡!!!!!生色紙の迫力たるや! 本当に凄いです!

磯見先生、貴重な色紙をありがとうございました。
そして、見に行きたかったけれど、所沢までは足を運べなかったというファンの方もたくさんいらっしゃると思います。上のお写真で店頭の様子を少しだけでも感じていただければ幸いです。

さあ!いよいよ本日6/18には第2巻が発売となりました!!

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『クロノ・モノクローム(2)』 著者:磯見仁月 発行:小学館 定価:463円(税込)
あらすじ:少年棋士時空を超える!チェス×歴史ロマン
18世紀にタイムスリップした天才チェス少年・黒六は、発明家・ケンペレンの発明した人形タークの中に入り、チェスを指すことにーー
緒戦に挑んだタークと黒六。
勝負の行方は? そして、黒六の身に思わぬ事態が発生する!!??


芳林堂書店コミックプラザ店には、すでに入荷しており、もちろん芳林堂限定の特典付きで販売中です!
お店の入り口はいってすぐの新刊台に並んでいますよ~♪
こんな感じです♪
↓ ↓ ↓ ↓

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天才棋士・羽生善治氏の帯も話題です!
なんと羽生氏は将棋とともにチェスプレイヤーとしても世界トップレベルだそう!
磯見先生が描かれたあの羽生名人のイラストにも注目してみてください~~~~

ちなみに、1巻は新刊台ではなく少年サンデーコミックスの棚にありますよ♪
6/18現在、コミックプラザでは1巻も特典付きで販売中です。
こんな感じです♪
↓ ↓ ↓ ↓

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まだ始まったばかりの嘘みたいな本当みたいな物語『クロノ・モノクローム』、まだまだ成長を続ける主人公・黒六と、笑顔と謎と夢が詰まったお話です。
読み進めると、ど~しても!!チェスをやってみたくなってしまいます!

チェスは、いわゆる「ゲーム」であると同時に、国際的な「スポーツ」であり美しい「芸術」であり、さらには「科学」でもあると言われるそうです。

そんな奥深いチェスの魅力と精巧なストーリーがあいまって、『クロノ・モノクローム』からは本気度の高さをばっしばっしと感じます!!

本気だから熱いです。だからこそ「ゲーム」でも「スポーツ」でも「芸術」でも「化学」でも感じたことがないような感動とロマンが待っているのではないでしょうか。

もちろんチェスが分からなくても世界史が苦手でも無問題!!

黒六にはチェスだったけど・・・でも、きっとなんでもいいんです、夢中になるものに出会えたら・・・それだけで素敵だし、世界はキラキラと輝いて人は必死になれるはず。必死だからきっと辛い!だけどやめられないー!おもしろいー!そんな感じ(笑)

でも、そんなにも夢中になれるものに、好きなものに出逢えた黒六とチェスが、ちょっとうらやましくて、眩しいくらいで、夢中になって読んでしまいます。

全力でオススメいたします!まずはご一読ください(*^^*)
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